参考書や予備校のサイトを利用して大学入試問題を勉強している人の中で「解説を読んでも理解できない」と思ったことはありませんか?
YouTubeなどに解説動画がありますが「通信環境がない」とか「動画を見るのはめんどう」思う人も多いでしょう。
この記事では読むだけで動画よりもわかりやすくどの参考書よりも細かく解説をしていきます。
2022九州大大問3(理系)
問題
整数の問題。
最大公約数を求める問題や不定方程式を解く問題だが、やや複雑な部分もある。
以下で紹介するが、合同式などをうまく利用して取り組んでほしい。
解説
(1) の解説
まずは問題文の式の形が分数なので、整数であることを示さなければならない。
次に互いに素であることを示す。
最大公約数をgとおいてg=1であることが示せればよい。
(2) の解説
① を変形する。
168=23・3・7 と素因数分解されるので、n2-1 が3の倍数かつ7の倍数かつ8の倍数であることを示せばよい。
そのため、n2+1 が3の倍数、7の倍数でないことを示す必要がある。
n2+1 が3の倍数でない証明1
こちらは教科書に準じた解法となる。
n2+1 が7の倍数でない証明1
こちらも教科書に準じた解法となる。
n2+1 が3の倍数でない証明2
こちらは合同式を利用した解法となる。
証明1よりは解答が楽だ。
n2+1 が7の倍数でない証明2
こちらも合同式を利用した解法。
n2-1 が8の倍数である証明
この証明には「連続する2つの自然数の積は偶数となる」という性質を使う。
この性質はとても大事なので教科書等でしっかり理解しておこう。
(3) の解説
(2) で証明されたことを利用して不定方程式を解く。
⑪の不定方程式はまだ絞り込めていないので、以下のように絞り込んでいく。
⑬の不定方程式にはいくつかの組み合わせがあるが、求めるのはそのうちの1組でいいので、1つみつかり次第解答を終わりにしてよい。
ただし、841 や1681が平方数であることに気づくのは難しいかも。
終わりに
整数の問題はいろいろな分野に登場するが、この問題は整数の分野だけで完結している。
教科書を中心とした解き方ではあるが、内容が深いため難易度は少し高い。
証明問題や不定方程式の練習にちょうど良い問題だといえる。
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